Copilotがパブリッシャーのクリック率を最大94%低下させたと、Microsoftの内部データが示す
背景
AIの回答が検索結果の上部を占めることで流入が減るという主張は繰り返されてきたが、プラットフォーム側の内部データで裏づけられる機会はほとんどなかった。New York Timesらによる訴訟の公開準備書面が、Microsoft内部の実測値を表に出した。
結論
- 2026年9月17日に公開された訴訟の準備書面により、Microsoftの内部データが明らかになった。訴訟はニューヨーク州南部地区連邦地裁のSidney H. Stein判事が担当している。
- Copilotによるクリック率の低下幅は、New York Times系サイトで87〜93%、Daily News系サイトで83〜91%、Ziff Davis系サイトで51〜94%に達した。
- 学習データへの複製はTimesで3,924,653件(固有の著作物944,655件)、Daily News側の原告で7,387,394件(同1,388,384件)に及ぶ。
- 学習データセットから著作権表示が失われていた割合はTimesで99.9%、Ziff Davisで99.8%、Mother Jonesで99.99%、Intercept で100%だった。
- Common Crawl経由のダウンロードはchicagotribune.comで2,182,079本、nytimes.comで2,064,805本の記事に及んでいる。
- ChatGPTでニュースを読むTimes購読者のうち36%が、そのためにもはや同紙のニュースは「まったく必要ない」と答えている。
- 一方で逐語的な再生成は2,000万件の会話ログ中24件(0.00012%)にとどまり、問題は複製ではなく代替にあることを示している。
- OpenAIのクロールと流入の比率は2025年5月時点で1,500対1、2025年8月時点で紹介1件あたり1,091回のクロールだった。
- Google AI Overviewsによるパブリッシャーのクリック減は39.8%と別途示されている。
メッセージ
注目すべきは逐語的な再生成がわずか0.00012%だったという数字のほうである。AIはコンテンツを丸写ししているのではなく、内容を吸収して自分の言葉で答えているから、元のページへ行く理由が消える。ECの商品ページも同じ立場にある。商品の情報がAIの回答の中で完結してしまえば、店舗のページは訪れられない。だとすれば、ページへの流入を前提にした設計ではなく、AIの回答の中に自社の商品が正しく名指しで登場することを前提に情報を整える必要がある。